16年度 法定
※ 出題当時以後の法令等の改正には対応していません。
法令等
問題1 慣習または慣習法に関する次の記述のうち、妥当でないものの組合せは
どれか。
ア 犯罪と刑罰の内容は、あらかじめ法律によって規定されたものでなければな
らないから、慣習法は刑法の直接の法源とはなりえない。
イ 民法は、物権法定主義を原則としているから、入会権については各地方の慣
習に従うことはない。
ウ 法令の中の公の秩序に関しない規定とは異なる慣習がある場合において、法
律行為の当事者がその慣習による意思を有しているものと認められるときは、
その慣習に従う。
エ 商事に関しては、まず商法の規定が適用されるが、商法に規定がないときは
民法が適用され、民法の規定もない場合には商慣習法が適用される。
オ 国際法は国家間の合意に基づいて成立するが、その合意には明示のものと黙示
のものとがあり、前者は条約であり、後者は国際慣習法であって、この両者が
国際法の法源となる。
1 ア・ウ
2 イ・エ
3 ウ・オ
4 ア・エ
5 イ・オ
問題2 法人の設立に対する国や地方公共団体の関与の態様には、①許可主義、
②認可主義、②認証主義、④準則主義がある。下表において、①~④に対応する
ア~エに当てはまる法人の組合せとして正しいものはどれか。
①許可主義 ア
②認可主義 イ
③認証主義 ウ
④準則主義 エ
ア イ ウ エ
1 学校法人 特定非営利活動法人 宗教法人 株式会社
2 財団法人 学校法人 特定非営利活動法人 株式会社
3 財団法人 合名会社 宗教法人 管理組合法人
4 社会福祉法人 学校法人 合名会社 管理組合法人
5 特定非営利活動法人 社会福祉法人 管理組合法人 宗教法人
問題3 投票価値の平等に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例の趣旨に適合
していないものはどれか。
1 形式的に1人1票の原則が貫かれていても、投票価値が平等であるとは限らない。
2 選挙人資格における差別の禁止だけでなく、投票価値の平等も憲法上の要請である。
3 投票価値の平等は、他の政策目的との関連で調和的に実現されるべきである。
4 法改正に時間がかかるという国会側の事情は、憲法判断に際して考慮すべきでない。
5 参議院議員の選挙については、人口比例主義も一定程度譲歩・後退させられる。
問題4 次の文章は、最高裁判所の判決の一節である。判決の趣旨に照らして、
妥当でないものはどれか。
「税理士会は、税理士の義務の遵守及び税理士業務の改善進歩に資するため、
会員の指導、連絡及び監督に関する事務を行うことを目的として、法が、
あらかじめ、税理士にその設立を義務付け、その結果設立された法人である。
法に別段の定めがある場合を除く外、税理士会に入会している者でなければ
税理士業務を行ってはならないとされている。
税理士会が強制加入の団体であり、その会員である税理士に実質的には脱退
の自由が保障されていないことからすると、その目的の範囲を判断するに当
たっては、会員の思想・信条の自由との関係で、次のような考慮が必要である。
税理士会は、法人として、法及び会則所定の方式による多数決原理により決定
された団体の意思に基づいて活動し、その構成員である会員は、これに従い
協力する義務を負い、その一つとして会則に従って税理士会の経済的基礎を
成す会費を納入する義務を負う。しかし、法が税理上会を強制加入の法人と
している以上、その構成員である会員には、様々の思想・信条及び主義・主張
を有する者が存在することが当然に予定されている。したがって、税理士会が
右の方式により決定した意思に基づいてする活動にも、そのために会員に要請
される協力義務にも、おのずから限界がある。」
(平成8年3月19日 最高裁判所第三小法廷判決)
1 税理士会は、会社とはその法的性格を異にする法人であり、その目的の範囲
についても、これを会社のような広範なものと解するならば、法の要請する
公的な目的の達成を阻害して法の趣旨を没却する結果となることが明らかである。
2 政党に政治資金の寄付をするかどうかは、選挙における投票の自由と表裏を
成すものとして、会員各人が市民としての個人的な政治的思想、見解、判断
等に基づいて自主的に決定すべき事柄である。
3 税理士会は、税務行政や税理士の制度等について権限のある官公署に建議し、
またはその諮問に答申することができるが、政治資金規正法上の政治団体へ
の金員の寄付を権限のある官公署に対する建議や答申と同視することはで
きない。
4 税理士会が政治資金規正法上の政治団体に対して金員の寄付をすることは、
たとい税理士に係る法令の制定改廃に関する要求を実現するためであっても、
原則として、税理士会の目的の範囲外の行為であり、無効といわざるを得ない。
5 税理士会の目的の範囲内の行為として有効と解されるのは、税理士会に
許容された活動を推進することを存立目的とする政治団体に対する献金で
あって、税理士会が多数決原理によって団体の意思として正式に決議した
場合に限られる。
問題5 表現の自由に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例の趣旨に
照らして、妥当なものはどれか。
1 取材の自由は、表現の自由を規定した憲法第21条の保護のもとにある。
2 報道の自由は、憲法第21条の精神に照らし、十分尊重に値する。
3 法廷での筆記行為の自由は、憲法第21条の精神に照らして尊重に値し、
故なく妨げられてはならない。
4 取材の自由は取材源の秘匿を前提として成り立つものであるから、医師
その他に刑事訴訟法が保障する証言拒絶の権利は、新聞記者に対しても
認められる。
5 取材の自由の重要性に鑑み、報道機関が取材目的で公務員に秘密漏示
をそそのかしても違法とはいえず、贈賄等の手段を用いても違法性が
阻却される。
問題6 次のア~オは、これまで存在した各種の憲法典における条文の例である。
これらのうち、日本国憲法第20条から導かれるものと同様の原則を定めていると考え
られるものは、いくつあるか。
ア 連邦議会は、国教の樹立を規定し、もしくは宗教の自由な礼拝を禁止する
法律を制定してはならない。
イ 各宗教団体は、すべての人に適用される法律の制限の範囲内で、独立に、
固有の事務を処理し、かつ、行政を執行する。
ウ フランスは不可分の非宗教的、民主的かつ社会的な共和国である。
エ 公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しく
は維持のため、これを支出し、又はその利用に供してはならない。
オ ルター派福音主義は、国家の公式の宗教である。
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
5 五つ
問題7 日本国憲法下の内閣に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 新しい内閣総理大臣が、まだ国務大臣を一人も任命していないうちは、前の
内閣が引き続き職務を遂行する。
2 内閣を構成する国務大臣の過半数を参議院議員が占めるとしても、それは憲
法上許容されている。
3 内閣の組織については、憲法が定める基本的な枠組に基づいて、国会が法律
で定めるところによる。
4 内閣は、事前ないし事後に国会の承認を得ることを条件として、条約を締結
する権能をもっている。
5 内閣総理大臣は、閣議の決定を経ることなく、任意に国務大臣を罷免するこ
とができる。
問題8 情報公開法(行政機関の保有する情報の公開に関する法律)の文書開示に
関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 行政機関の長は、開示請求に係る行政文書に不開示情報が記録されている場合
であっても、公益上特に必要があると認めるときには、当該行政文書を開示し
なければならない。
2 開示請求に対し、当該開示請求に係る行政文書が存在しているか否かを答える
だけで、不開示情報を開示することとなるときは、行政機関の長は、当該行政
文書の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる。
3 行政機関の長は、個人識別情報であっても、当該個人が公務員等である場合に
は、職務遂行の内容のみならず、その職についても開示しなければならない。
4 行政機関の長は、個人に関する情報であって、特定の個人を識別することはで
きないが、公にすることによりなお個人の権利利益を害するおそれがあるもの
が記録されている場合には、開示してはならない。
5 行政機関の長は、開示請求に係る行政文書の一部に不開示情報が記録されてい
る場合において、不開示情報が記録されている部分を容易に区分して除くこと
ができるときは、当該部分を除いた部分につき開示しなければならない。
問題9 行政行為の効力に関する次の文章の(ア)~(エ)を埋める語の組合せとして、
最も適切なものはどれか。
行政行為の効力の一つである(ア)は、行政行為の効力を訴訟で争うのは取消訴訟
のみとする取消訴訟の(イ)を根拠とするというのが今日の通説である。この効力が
認められるのは、行政行為が取消し得べき(ウ)を有している場合に限られ、無効で
ある場合には、いかなる訴訟でもその無効を前提として自己の権利を主張できる
ほか、行政事件訴訟法も(エ)を用意して、それを前提とした規定を置いている。
(ア) (イ) (ウ) (エ)
1 公定力 拘束力 違法性 無名抗告訴訟
2 不可争力 排他的管轄 瑕疵 無名抗告訴訟
3 不可争力 先占 違法性 客観訴訟
4 公定力 排他的管轄 瑕疵 争点訴訟
5 不可争力 拘束力 瑕疵 争点訴訟
問題10 行政機関が行う次のような行為のうち、行政法理論上「即時強制」に
あたるものは、いくつあるか。
ア 建築規制法規に違反する建築物として除却命令が出ているにもかかわらず
義務者が自主的に除却しないため、行政の職員が義務者に代わって除却す
る行為
イ 営業許可に付された条件の履行を促す行政指導を無視したまま営業を継続
している業者の氏名を行政庁が公表する行為
ウ 建築規制法規に違反する建築物の所有者からの給水申し込みを市長が拒否
する行為
エ 車両が通行する公道上に寝ころんだまま熟睡している泥酔者の安全を確保
するため、警察官がその者を警察署に運び保護する行為
オ 火災の発生現場において消防士が、延焼の危険のある近隣の家屋を破壊し
てそれ以上の延焼を防止する行為
1 一つ
2 二つ
3 三つ
4 四つ
5 五つ
問題11 国家賠償に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例の趣旨に照らして、
妥当でないものはどれか。
1 公立学校における教員の教育活動は、行政処分ではなく体罰等の事実行為で
あっても国家賠償法での公権力の行使にあたる。
2 議員に対し、町議会が辞職勧告決議をなしたことが議員に対する名誉毀損に
あたるとする国家賠償の訴えは、決議が違法か否かが審査されるので法律上
の争訟にはあたらない。
3 公務員が主観的には職務権限行使の意思を有しなかったとしても、客観的に
職務行為の外形を備える行為であれば、国家賠償法第1条の職務を行うについ
てという要件をみたし、損害が発生している場合には、国または公共団体は
損害賠償責任を負担する。
4 行政処分の違法性を理由とする国家賠償法上の訴えを提起するにあたっては、
その前提としてあらかじめその行政処分の取消または無効確認の判決を得て
おく必要はない。
5 公務員個人は、国または公共団体がその責任を負担する以上、被害者に対し
直接責任を負うことはない。
問題12 行政手続法に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
1 行政手続法は、行政処分をもっぱら対象とし、その事前手続について法的規律
を設けるとともに、事後的救済手続についても定めを置いている。
2 行政手統法は、侵害的行政処分ならびに公権力の行使に当たる行為のみならず、
許認可などの授益的処分についても規律を定めている。
3 行政手続法は、不服申立てに対する行政庁の裁決、裁判の執行としてされる処分、
公務員の身分に関してされる処分についても、その事前手続につき法的な規律を
設けている。
4 行政手続法は、行政処分については事前聴聞手続を、行政立法についてはバブリ
ック・コメント制を一般的に義務的手続とすることにより、行政過程に広く手統
的な規制を行うものである。
5 行政手続法は、行政処分について手続的規律を設けるほか、行政機関が一方当事
者である一定金額以上の契約について、入札制などの手続規定を置いている。
問題13 行政手続法の条文においては、申請により求められた許認可等の行政処分を
行う行政庁が「必ずしなければならないもの」と「努めなければならないもの」の区
別がなされているが、これに関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 行政庁は、申請がその事務所に到達してから当該申請に対する処分をするまでに
通常要すべき標準的な期間を定めるように努めなければならない。
2 行政庁は、申請により求められた許認可等に対する処分をする場合は、あらかじ
め審査基準を定め、これを公にしておくよう努めなければならない。
3 行政庁は、申請者の求めに応じ、当該申請の審査の進行状況・処分の時期の見通
しを示すように努めなければならない。
4 行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合は、申請者
に対し、当該処分の理由を示さなければならない。
5 行政庁は、申請に対する処分であって申請者以外の者の利害を考慮すべき場合は、
公聴会の開催その他適当な方法により、当該申請者以外の者の意見を聞く機会を
設けるよう努めなければならない。
問題14 行政手続法の適用範囲に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 行政手続法は、行政処分、行政指導、届出について一般的規律を定める法であ
るが、他の法律に特別の手続規定を設けた場合は、その特別規定が優先する。
2 行政処分、行政指導、届出に当たる行為であっても、第3条第1項に列挙されて
いる類型に該当するものについては、行政手続法は適用されない。
3 行政処分、行政指導、届出に当たる行為であって、第3条第1項に列挙されている
類型に該当しないものについては、他の法律で特別の手続規定を設けることが
できる。
4 地方公共団体の機関がする行政処分であって、その根拠となる規定が条例または
規則に置かれているものでないものについては、行政手続法が適用される。
5 地方公共団体の機関がする行政指導については、その根拠となる規定が条例また
は規則に置かれているかどうかにかかわらず、行政手続法が適用される。
(参考条文)
第1条(略)
2 処分、行政指導及び届出に関する手続に関しこの法律に規定する事項について、
他の法律に特別の定めがある場合は、その定めるところによる。
第3条 次に掲げる処分及び行政指導については、次章から第4章までの規定は、
適用しない。
一 国会の両院若しくは一院又は議会の議決によってされる処分
二~十六(略)
2 前項各号に掲げるもののほか、地方公共団体の機関がする処分
(その根拠となる規定が条例又は規則に置かれているものに限る。)
及び行政指導並びに地方公共団体の機関に対する届出(前条第7号の
通知の根拠となる規定が条例又は規則に置かれているものに限る。)
については、次章から第5章までの規定は、適用しない。
問題15 行政不服審査法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 処分の全部または一部の取消しの申立てのほか、処分の不存在確認の申立て、
不作為についての申立てを行うことができる。
2 法人でない社団または財団も、代表者または管理人の定めがある場合、その
名で不服申立てをすることができる。
3 審査請求は、原則として、処分があったことを知った日の翌日から起算して
60日以内に、しなければならない。
4 弁明書の提出にあたり、正副2通を提出しなければならないが、電子情報処理
組織を使用して弁明がなされた場合には、弁明書の正副2通が提出されたもの
とみなされる。
5 審査庁は、申立てまたは職権に基づいて、必要な場所につき、検証をすること
ができる。
問題16 行政不服審査法における不作為についての不服申立てに関する次の記述の
うち、誤っているものはどれか。
1 行政庁の不作為についての不服申立ては、不作為庁が主任の大臣等である場合
を除くと、不作為庁への異議申立てと直近上級行政庁への審査請求のいずれを
することができる。
2 不作為に対する不服申立てが認められるのは、行政庁が法令に基づく申請に対
し、相当の期間内に何らかの処分をすべきにもかかわらず、これをしない場合
である。
3 不作為に対する異議申立てについて、不作為庁は、異議申立てが不適法である
場合を除き、異議申立ての日の翌日から起算して20日以内に、申請に対する何
らかの行為をするか、または書面で不作為の理由を示さなければならない。
4 不作為に対する審査請求が理由のあるときは、審査庁は裁決で当該不作為が違
法もしくは不当であることを確認し、申請者はこの確認裁決後、再度不作為庁
に対して申請する。
5 処分に対する審査請求・異議申立ては、処分があったことを知ってから60日以
内にしなければならないが、不作為に対する不服申立てには、そのような期間
制限はない。
問題17 地方公共団体の種類に関する次の記述のうち、誤っているものの組合せ
はどれか。
ア 東京都の特別区は特別地方公共団体の一種であるが、東京都自体は、普通地
方公共団体である。
イ 「区」という名称が付される地方行政組織のうち、特別区と財産区は地方公
共団体であるが、行政区は地方公共団体ではない。
ウ 「地方公共団体の組合」は、普通地方公共団体だけで構成されている場合は、
普通地方公共団体として扱われる。
エ 「政令指定都市」「中核市」「特例市」は、いずれも「市」の特例として設
けられているものにすぎないから、特別地方公共団体ではない。
オ 特別地方公共団体には、かつて「特別市」と「地方開発事業団」が含まれて
いたが、いずれも適用例がなかったため廃止された。
1 ア・ウ
2 イ・オ
3 イ・エ
4 ア・エ
5 ウ・オ
問題18 地方自治法上で用いられている「住民」という概念の範囲を説明した次の
記述のうち、正しいものはどれか。
1 住民とは、自然人を対象とした概念であるから、法人は住民として扱われる
ことはない。
2 住民とは、日本国民を対象とする概念であるから、外国人が住民として扱わ
れることはない。
3 住民とは、地方公共団体の区域内に住所を有することを前提として成立する
概念であるから、住民基本台帳法上の登録をしない者は住民として扱われる
ことはない。
4 住民自治の具体化である直接請求制度は、当該地方公共団体の議会・長の選
挙権を有する日本国民たる住民でなければ利用することができない。
5 納税者訴訟とも呼ばれる住民訴訟は、前年度の住民税の納税実績のある住民
でなければ提起することができない。
問題19 地方公共団体の議会と長の関係に関する次の記述のうち、誤っているも
のはどれか。
1 議会における条例の制定改廃または予算に関する議決について異議があると
きは、長はこれを再議に付すことができる。
2 長が議会の議決につき再議を要求する場合は、その理由を示さなければなら
ない。
3 議会が再議に付された議案を再び可決したときは、その議決は確定する。
4 議会が再議に付された議案を再び可決するには、出席議員の3分の2以上の
同意がなければならない。
5 長が再議に付した議案を議会が再び可決した場合には、長は10日以内に議会
を解散しない限り、失職する。
問題20 次の事例において、B~Fが所得税法上、Aの扶養親族に該当するか否
かについて、正しく述べているものはどれか。
(事例)
一昨年妻を亡くした個人商店の経営者である居住者C(青色申告納税者)は、
現在、母親のBと同居し、食事などを共にしている。Bは、Aの経営する店を
手伝うことにより、事業専従者として年に100万円の給与を受け取っている。
Aの長男C(大学生)は、今年(平成16年)4月、D(大学生)と学生結婚をし、
近くのアパートで部屋を借りて生活をしている。CとDは、いずれもデパート
の配送アルバイトをしており、本年中、それぞれ50万円の収入が見込まれるも
のの、二人の生活を維持するには十分でなく、二人の学費とアパート代、生活
費などの面倒は、結局Aがみている。Aの長女E(大学生)は、昨年より米国の
大学に留学中で、来年7月に帰国の予定であるが、授業料・生活費を含めて、
留学費用のほとんどをAが負担している。また、Aの次男F(死亡当時高校生)
は、今年9月にバイク事故に遭って即死した。
1 事業専従者であるBは、給与額の多少にかかわらず、Aの扶養親族となる
可能性がない。
2 結婚して、世帯と戸籍を別にしているCは、Aの扶養親族となる可能性が
ない。
3 Aと血族関係にないDは、Aの扶養親族となる可能性がない。
4 海外留学中で現在Aと同居していないEは、Aの扶養親族となる
可能性がない。
5 年度途中で死亡したFは、Aの扶養親族となる可能性がない。
問題21 次のア~オのうち消費税が非課税もしくは免税とされているものの組合せ
として正しいものは、1~5のうちどれか。
ア 国内から海外に向けて、乗用車やトラックを輸出する行為
イ 国際線航空機によって旅客を海外へ輸送する行為
ウ 埋葬料や火葬料を対価とする役務提供行為
エ 保税地域から外国貨物である建設機械を無償で引き取る行為
オ 特許権や著作権などの無体財産権を使用させ、対価を得る行為
1 ア・ウ
2 ア・イ・ウ
3 イ・エ
4 イ・エ・オ
5 ウ・オ
問題22 行政書士法に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
1 弁護士となる資格を有する者、弁理士となる資格を有する者は、行政書士となる
資格を有するが、社会保険労務士となる資格を有する者、公認会計士となる資格
を有する者は行政書士となる資格を有しない。
2 行政書士の業務と国会議員の職は両立しないので、行政書士が国政選挙に立候補
する場合には、あらかじめ行政書士としての登録を抹消し、行政書士としての資格
を喪失しなければならない。
3 行政書士を業務として行う場合には、それに専念しなければならず、行政書士とし
ての業務と弁理士としての業務、税理士としての業務などを兼業することはできない。
4 弁理士は、行政書士となる資格を有する者であるから、弁理士としての登録をしてい
れば、行政書士としての登録をしなくても、行政書士業務一般を業として行うこと
ができる。
5 常勤の国家公務員、地方公務員が行政書士業務を行うことは、国家公務員法・
地方公務員法により兼業の制限を受けることがあるが、行政書士法自体によって
は禁止されてはいない。
問題23 行政書士法に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
1 行政書士業務には定年制はないが、60歳を過ぎると5年ごとに更新の手続が
あり、心身の故障により行政書士の業務を行うことができない者に対して
は登録の抹消が勧告される。
2 未成年でも行政書士試験を受け合格することはできるが、行政書士として
登録し、業務を行うためには成人であることを必要とする。
3 外国人でも行政書士試験を受け、行政書士となる資格を有することができ
るが、行政書士として登録し、業務を行うためには、定住許可を有してい
るか、帰化しなければならない。
4 罰金刑や過料処分を受けた場合、その刑や処分を受けてから6か月間は行
政書士としての資格を失う。
5 行政書士が死亡したり、第5条に定める欠格事由に該当するに至った場合
には、その行政書士としての登録は自動的に消滅し、改めて登録抹消の
手続をとる必要はない。
問題24 行政書士法に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
1 指定試験機関が行う試験事務に係る処分その他の不作為については、都道
府県知事に対し、行政不服審査法による審査請求をすることができる。
2 行政書上の登録を拒否された者は、当該処分に不服があるときは、総務大臣
に対して行政不服審査法による審査請求をすることができる。
3 都道府県に設立されている行政書士会により行政書士の登録を取り消された
者は、当該処分に不服があるときは、日本行政書士会連合会に対して審査
請求をすることができる。
4 日本行政書士会連合会による行政書士の登録抹消に対しては、日本行政書
士会連合会に対して、異議申立てをすることができる。
5 行政書士法に基づく処分に対し異議申立てもしくは審査請求が可能である
場合、当該処分に対する取消訴訟を提起するには、あらかじめこれらの
不服申立てを前置しなければならない。
問題25 不動産の売買に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 Aが19歳の時に、その法定代理人Bの同意を得ずにCにAの所有する不動
産を売却した場合に、AおよびBは、Aが成年に達したときには、AC間
の売買契約を取り消すことはできない。
2 被保佐人Aが、その保佐人Bの同意を得ずにCにAの所有する不動産を
売却した場合に、AおよびBは、AC間の売買契約を取り消すことができる。
3 Aの所有する土地の上に、Aの所有する建物がある場合において、Aは、
土地の所有権を自己に留保したまま、建物だけをBに売却することはで
きない。
4 権利能力なき社団Aが不動産を買い受けた場合において、Aは、法人に
準じて扱われるので、登記実務上、A名義の登記が認められる。
5 AがBに対しAの所有する不動産を売却した後に、同不動産を重ねてC
にも売却した場合において、B、Cのうち、同不動産の引渡しまたは登記
の移転を先に受けた方がその所有権を取得する。
問題26 甲地について、複数の者が、民法上の共有(民法第249条以下)として
共同所有している場合(以下では、この場合を「Aの場合」という。)と、共有
の性質を有する入会権(民法第263条)を有するものとして共同所有している
場合(以下では、この場合を「Bの場合」という。)に関する次の記述のうち、
妥当なものはどれか。
1 甲地の共同所有者は、Aの場合には、自己の持分を自由に譲渡することがで
きるが、Bの場合には、持分の譲渡については共同所有者の属する入会集団
の許可を得なければならない。
2 Aの場合には、甲地の管理について、各共同所有者の持分の価格に従い過半
数で決するが、Bの場合には、甲地の管理について、共同所有者の4分の3
以上の多数により決する。
3 甲地の共同所有者は、Aの場合もBの場合も、甲地の分割について他の共同
所有者全員の同意があるときのみこれを行うことができる。
4 Aの場合もBの場合も、共同所有者全員の合意によって甲地を第三者に売却
することができる。
5 甲地の所有権は、Aの場合もBの場合も、各共同所有者にその持分に応じて
帰属する。
問題27 民法の抵当権に関する規定については、近時、改正(平成15年8月1日公布
・平成16年4月1日施行)がなされた。次の抵当権に関する記述は、改正のあった
事項であるが、改正後の規定(現行の規定)に照らして、誤っているものはどれか。
1 根抵当権者は、元本確定期日の定めがある場合を除き、いつでも担保すべき
元本の確定を請求することができ、この請求があったときには、その請求の
時に担保すべき元本が確定する。
2 抵当権者に対抗することができない賃貸惜に基づく抵当建物の占有者が、競
売手続の開始前よりその建物を使用または収益をなしているときは、建物の
占有者は、建物の競売による買受けの時から6か月間は、買受人に対して建物
を引き渡すことを要しない。
3 抵当不動産について所有権を取得した第三者は、抵当権者に対して抵当権消滅
請求をすることができるが、抵当権者は、これに対し、抵当権消滅請求を受け
た後2か月内に、通常と同様の手続で競売の申立てをすることができる。
4 抵当権設定後に抵当地に建物が築造された場合に、その建物が抵当権設定者以
外の者によって築造されたときは、土地の抵当権者は、抵当地と共に一括して
その建物を競売することはできない。
5 登記された賃貸借は、その登記前に抵当権の登記をしている抵当権者のすべて
が、その賃借権に対抗力を与えることに同意し、かつ、その同意の登記がある
ときは、その同意をした抵当権者に対抗することができる。
問題28 委任契約に関する次の記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。
ア 無償委任の受任者は、自己の財産におけるのと同一の注意をもって事務を処
理する義務を負う。
イ 委任者は、委任契約をいつでも解除することができるが、受任者が委任者に
とって不利な時期に解除するには、やむをえない事由がなければならない。
ウ 受任者が委任事務を処理するため自己に過失なくして損害を被った場合には、
委任者は、無過失であっても、受任者に対して損害賠償の責任を負う。
エ 受任者は、委任者の請求があるときは、いつでも委任事務の処理状況を報告
する義務を負う。
オ 受任者が、委任事務を処理するについて費用を要する場合には、その事務を
処理した後でなければ、委任者に対してその費用の支払いを請求することが
できない。
1 ア・イ
2 イ・ウ
3 ウ・エ
4 エ・オ
5 ア・オ
問題29 婚姻に関する次の記述のうち、判例の趣旨に照らして、誤っているも
のはどれか。
1 婚姻の届出は戸籍吏に受理されれば完了し、戸籍簿に記入されなくても
婚姻は成立する。
2 配偶者のある者が重ねて婚姻をしたときは、重婚関係を生ずるが、後婚
は当然には無効となるものではなく、取り消し得るものとなるにすぎない。
3 内縁を不当に破棄された者は、相手方に対して、婚姻予約の不履行を理由
に損害賠償を請求することができるとともに、不法行為を理由に損害賠償を
請求することもできる。
4 事実上の夫婦共同生活関係にある者が婚姻意思を有し、その意思に基づいて
婚姻の届書を作成したときは、届書の受理された当時意識を失っていたとし
ても、その受理前に翻意したなど特段の事情のない限り、届書の受理により
婚姻は有効に成立する。
5 婚姻の届出が単に子に嫡出子としての地位を得させるための便法として仮託
されたものにすぎないときでも、婚姻の届出自体については当事者間に意思
の合致があれば、婚姻は効力を生じ得る。
問題30 戸籍法上の届出に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 嫡出子出生の届出について、父および母が未成年者であるときは、父および
母が共同でこれをしなければならない。
2 嫡出子でない子の出生の届出について、母が届出をすることができない場合
には、出生に立ち会った医師、助産師またはその他の者が届出をしなければ
ならず、出生に立ち会った者がいないときには、嫡出子でない子の母の同居
人が届出をしなければならない。
3 出生の届出については出生地で、死亡の届出については死亡地でしなければ
ならず、これらの届出事件の本人の本籍地または届出人の所在地でこれらの
届出をすることはできない。
4 届出期間については、届出事件発生の日はこれを算入せず、その翌日から起
算するが、死亡の届出については、死亡の日からこれを起算する。
5 市町村長は、届出を怠った者があることを知ったときは、届出義務者に対し
て、相当の期間を定めて、その期間内に届出をすべき旨を催告しなければな
らず、届出義務者がこの期間内に届出をしなかったときは、市町村長は、さ
らに相当の期間を定めて、催告をすることができる。
問題31 住民基本台帳法において住民票の記載事項(磁気ディスクをもって調製
する住民票にあっては記録事項)とされているものの組合せとして、正しいものは
どれか。
ア 国籍の表示(ただし、国籍のない者および国籍の明らかでない者については、
その旨)
イ 戸籍の表示(ただし、本籍のない者および本籍の明らかでない者については、
その旨)
ウ 転出した者については、転出先の住所および転出した年月日
エ 選挙人名簿に登録された者については、その旨
オ 在外選挙人名簿に登録された者については、その旨および当該登録された
市町村名
1 ア・ウ
2 イ・ウ
3 イ・エ
4 イ・エ・オ
5 ウ・エ・オ
問題32 商号に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 個人商人が複数の営業を営む場合には、その営業ごとに複数の商号を使用す
ることができるが、会社は1個の商号しか使用することができない。
2 不正の目的をもって他人の営業と誤認させる商号を使用する者がある場合に、
これによって利益を害されるおそれがある者は、自らの商号について登記が
なくても、その使用の差止を請求することができる。
3 商号の譲渡は、商号と営業をともに譲渡する場合、または営業を廃止する場
合に限り、これを行うことができる。
4 営業譲渡において譲受人が譲渡人の商号を続用する場合は、譲渡人の営業に
よって生じた債務については、譲受人は常に譲渡人と連帯してその弁済をし
なければならない。
5 自己の氏、氏名または商号を使用して営業を行うことを他人に許諾した者は、
自己を営業主と誤認して取引を行った者に対して、当該取引から生ずる債務
についてその他人と連帯して弁済しなければならない。
問題33 株式に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
ア 株式の発行価額の2分の1を超えない額については、資本に組み入れずに資
本準備金とすることができる。
イ 完全無議決権株式は、利益配当に関して優先的な内容を有する株式として
のみ発行することができる。
ウ 株式の引受による権利の譲渡は、会社に対してその効力を生じない。
エ 株式の分割を行う場合には、株主総会の特別決議によるその承認が必要で
ある。
オ 自己株式を取得した場合には、相当の時期に当該自己株式を処分または
消却しなければならない。
1 ア・ウ
2 ア・エ
3 イ・エ
4 イ・オ
5 ウ・オ
問題34 株主総会に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
1 株主総会は、法律または定款に定められた事項についてのみ決議をすること
ができる。
2 定時総会は、毎年1回一定の時期に招集しなければならず、年2回以上の配当
を行う場合には決算期ごとに招集しなければならない。
3 完全無議決権株式の株主であっても、定款を変更して株式の譲渡に取締役会
の承認を要する旨の定めを設けるための株主総会の決議については、議決権
を行使できる。
4 株主総会の決議について特別の利害関係を有する株主は、当該決議事項に
ついて議決権のある株式の株主であっても、議決権を行使することがで
きない。
5 株主総会の決議事項に関して取締役または株主から提案がなされ、当該決議
事項について議決権を有する総株主が書面または電磁的記録によりその提案
内容に同意した場合は、実際に会議を開催しなくても、その提案を可決する
株主総会の決議があったものとみなされる。
問題35 賃金の支払いに関する次の記述のうち、妥当でないものはどれか。
1 未成年者の親権者または後見人は、未成年者に代わって賃金を受け取るこ
とはできない。
2 退職手当は労働基準法にいう賃金に該当し、その支給前に退職手当債権が
適法に譲渡されても、使用者は、直接労働者に対して退職手当を支払わな
ければならず、退職手当債権の譲受人は自ら使用者に対してその支払いを
求めることは許されない。
3 出来高払制その他の請負制で使用する労働者についても、使用者は、労働
時間に応じて一定額の賃金の保障をしなければならない。
4 使用者は、労働者に対して不法行為を原因とする債権を有するときは、
これをもって労働者の賃金債権に対して相殺することが許される。
5 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合には、使用者は、休業期間中当
該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当てを支払わなければな
らない。
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