国家賠償法のポイント
行政書士試験の国家賠償法についてここでは必須の賠償責任の成立要件を押さえます。
国家賠償法1条1項は、「国又は公共団体の公権力の行使にあたる公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によって違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる」と規定しています。これを分けて考えてみると、(1)公務員の行為で、(2)その行為が公権力の行使に該当し、(3)その職務を行うについて、(4)故意又は過失により違法に他人に損害を与えることが賠償責任の要件となります。
(1) 公務員の行為で国家公務員や地方公務員は当然ここでの公務員であるが、その他にも公権力を行使する権限を持つ者すべてを含んでいる。例えば、特殊法人や公共組合等の職員も民間人であるが、これに該当する。
(2) その行為が公権力の行使に該当し「公権力の行使」とは、私経済作用(例えば、市営地下鉄の運営)と国家賠償法2条が適用される事項以外すべての行使作用についてその範囲となり、広く公益的な行政活動を含むと捉えられている。原則として、違法の評価を受けないが、例外的に「裁判(裁判官が違法又は不要な目的をもって裁判をした場合など。)」や「立法(憲法の文言に明らかに違反しているのに国会が立法してしまうような例外的な場合に限る。)」が含まれる。また、非権力的行為である「行政指導」、「公立学校の教育活動」なども含まれる。また、作為にとどまらず、不作為も含まれている。
(3) その職務を行うについて、その公務員が実際にその権限の中で職務を行っているかどうかではなく、外から客観的に職務を行っているように見えれば、職務を行っていることと取り扱っている。このことを「外形主義」という。
(4) 故意又は過失により違法に他人に損害を与えること
損害は発生したのだけれども、どの公務員がそれを引き起こしたのか不明な場合や、どの違法行為によって実際に損害が発生したのか特定できない、もしくは難しい場合がある。そのような場合判例は、加害公務員や加害行為の特定を必ずしも必要とはしない。
実際に損害が発生して国家賠償を必要とするか否かは個々の裁判の中で決められることであるが、加害行為と損害との間には、相当因果関係(例 : Aという加害行為がなければ、Bとい損害は発生しなかったであろうという関係)が必要である。また、損失保障と異なり、精神的損害の賠償も認めている。
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