民法について
昨年度までの行政書士試験と平成18年度の行政書士試験を比べると、事例問題が一気に増えたといえます。実際に問題内で問われている知識的には基本的なものばかりだったのですが、行政書士試験の勉強としてどれだけ事例を意識した学習をしていたかによって受験生の間でも差がついたのではないでしょうか。
ですので、行政書士試験で民法の条文を覚えるときには、問題となる具体的な場面も意識しながら勉強することが必要であるといえるでしょう。また、平成18年度行政書士試験では、「住所」というマイナーな分野からの出題がありました。一見「なんでこんな分野からの出題があるのか」と思われた受験生も多かったと思いますが、行政書士となって内容証明を相手先に送るうえでは、大切な知識だといえるでしょう。平成18年度行政書士試験の民法の出題で若干受験生を悩ませた問題31について以下解説いたします。
【問題31の解説】
この問題は受験生の「問題文のとらえ方」によって、解答が異なってきます。
①『建物の引渡しを受け、また、移転登記も得て、近く同建物に引越しをしよう』と思っていたと読むのか、②建物の引渡しを受け、また、移転登記も得て、『近く同建物に引越しをしようと思っていた』と読むかの違いです。
②のように建物の引渡し及び移転登記が終わっていたと読むのであれば、Bの履行は終わっていますから、危険負担は問題にならず、イは誤りとなります。これに対し、①のように読めば危険負担の問題となりイが正しいとなります。ただし、行政書士試験研究センターでは正解を「1」としていますので、イは誤りでこあるという認識ととらえなければなりません。したがって、単純に危険負担に関して、AとBとどちらが負うのかを聞いているだけではない、ということになるのです。
いずれにせよ、今後の行政書士試験には、出題者の意図が汲み取れない受験生泣かせの出題を避けていただきたいものです。
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